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平成26年度臨床評価指標

  1. 診療科別・年齢階層別 退院患者数
  2. 診療科別症例件数上位3位(大分類別)
  3. 初発の5大がん病期分類別患者数・5大がん再発入院患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数
  5. 脳梗塞のICD-10別患者数
  6. 診療科別主要手術の術前・術後日数 症例数上位3件

臨床評価指標とは

臨床評価指標とは、医療の質等を評価するための指標です。クリニカルインディケーター(Clinical Indicator)ともいいます。
この指標により、当院の医療の質等を客観的に評価することができるようになり、医療の質と安全の向上や改善のために利用することができるようになります。
現在、臨床評価指標として多くの病院がホームページ等に掲載をしていますが、日本ではまだ定義が確立されておらず、各病院が基準を決定しているのが現状です。
そこで、今回は一般の方が分かりやすい指標を掲載することとし、今後公開する指標を増やしていきたいと思います。

1.診療科別・年齢階層別 退院患者数

対象者 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者
算出方法 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者総数
解説 平成26年度の退院患者総数を当院の診療科別・年齢階層別に全退院患者一覧表と各科ごとのグラフで掲載しています。
この指標により、当院での治療実績を確認することができます。

退院患者総数 [PDF]
退院患者総数グラフ [PDF]
各診療科別退院患者総数グラフ [PDF]

2.診療科別症例件数上位3位(大分類別)

対象者 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者
算出方法
  1. 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者を抽出する
  2. ①のうち主傷病名を抽出する
  3. ②のうち上位3症例を集計する(総数)、②のうち各科別に集計し上位3症例を集計する(各科)
解説 平成26年度の上位3症例を当院全体と各診療科で掲載しています。この指標により、当院での治療実績で多い症例を確認することができます。

診療科別症例件数上位3位(大分類別)集計表 [PDF]

3.初発の5大がん病期分類別患者数・5大がん再発入院患者数

対象者 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者
算出方法
  1. 初発の5大がん病期分類別患者数
    1. 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者を抽出
    2. 1)のうち5大がん患者を抽出する
    3. 2)で抽出した患者を初発、再発別に抽出する
    4. 3)で抽出した患者を病期分類別に集計する
  2. 5大がん再発入院患者数
    1. 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者を抽出
    2. 1)うち5大がん患者を抽出する
    3. 2)で抽出した患者のうち再発患者を集計する
解説 平成26年度の初発5大がんを病期ごとに、再発5大がんでの入院患者数を掲載しています。
この指標により、当院での5大がんの病期別診療実績と5大がんの再発治療実績が確認できます。
用語
  1. 5大がんと病期について
    5大がんとは肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がんを主要5大がんといいます。
    がんの進行度を分類するために、がんの病期分類を使用します。病気分類はstage0からstageⅣまであり、stageⅣが最も進行した病期となります。
    病期の選択についてはUICC※1のTNMを用います。TNMとは、がんの分類法でT:がんの大きさと深さを評価。N:リンパ節への転移の有無を評価。M:他の臓器や組織への転移の有無を評価しこれらを総合的に組み合わせて、がんの病期を選択します。
  2. 初発と再発について

    当院において、がんの診断、初回治療※2を行った場合を「初発」として病期分類ごとに集計し、初回治療以降の継続治療を行った場合を「再発」として集計しています。

  • 1 UICCとはラテン語のUnio Internationalis Contra Cancrumの頭字語で国際対がん連合のことです。
  • 2 初回治療とは がん(含転移巣)に対して、初めに計画された一連の治療および症状緩和的な治療を指します。

初発の5大がん病期分類別患者数・5大がん再発入院患者数集計表 [PDF]

4.成人市中肺炎の重症度別患者数

対象者 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者
算出方法
  1. 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者を抽出
  2. ①で抽出した患者のうち市中肺炎に罹患して入院した患者を抽出
  3. ②のうち重症度別に集計した患者数
解説 平成26年度に市中肺炎を患って入院した患者さんの重症度ごとの平均年齢と平均在院日数を算出しています。
この指標により、当院の市中肺炎における診療実績がわかります。
用語
  1. 市中肺炎とは
    市中肺炎とは、病院外で日常生活をしていた人が発症する病気で、入院では主に注射抗菌薬を投与しての治療が主となる病気です。
  2. 肺炎の重症度について
    日本市中肺炎ガイドラインによる重症度分類法A-DROPシステムを基に分類しました。分類法は別表1を参照してください。
  3. 平均在院日数とは

    平均在院日数とは、患者さんが入院してから退院までの平均日数を算出したものです。

    (計算方法)

    各重症度で入院した市中肺炎患者の入院延数


    各重症度で入院した市中肺炎の患者

別表1

>肺炎の重症度分類(A-DROPシステム)

項目名
スコア基準
年齢(Age)
男性70歳以上、女性75歳以上
脱水 (Dehydration)
BUN※1が21mg/dL以上または脱水あり
呼吸 (Respiration)
SpO2※2が90%以下
見当識 (Orientation)
意識障害あり(肺炎に由来する)
血圧 (Prussur)
収縮期血圧が90mmHg以下

※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点

分類基準

軽症
0点の場合。
中等症
1~2点の場合。
重症
3点の場合。
超重症
4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
不明
重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。
  • 1 BUN(尿素窒素)は主に腎機能の指標に用いられる血液検査で、脱水時に値が上昇する傾向があります。
  • 2 SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)は血液中のヘモグロビンが酸素とどれくらい結合しているかをパーセント表示したものです。 これにより呼吸不全の指標として用いることができます。

成人市中肺炎の重症度別患者数集計表 [PDF]

5.脳梗塞のICD-10別患者数

対象者 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者
算出方法
  1. 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者を抽出
  2. ①で抽出した患者のうちICD-10コードI630~I639(脳梗塞の分類)に罹患して入院した患者を抽出
  3. ②のうち月ごとに分類して集計した患者数
解説 平成26年度に脳梗塞を患って入院した患者を月ごとに掲載しています。
この指標で、当院の各月毎の脳梗塞患者の診療実績を確認することができます。
用語
  1. 脳梗塞とは
    脳梗塞とは、脳の血管が詰まることにより血流が止まってしまい、そこから先の脳細胞が壊死または壊死に近い状態になってしまう病気です。
  2. ICD-10コードとは
    WHO(国際保健機関)によって公表されている分類法で、国際疾病分類と訳され、ICD-10の10は国際疾病分類の第10版です。分類はアルファベットと数字により符合されており、全22章から構成されています。

脳梗塞のICD-10別患者数集計表 [PDF]

6.診療科別主要手術の術前・術後日数 症例数上位3件

対象者 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者
算出方法
  1. 平成26年4月1日から平成27年3月31日に退院した患者を抽出
  2. ①で抽出した患者のうち手術を実施した患者を抽出
  3. ②のうち診療科別に上位3症例を分類した
解説 平成26年度に入院した患者のうち、診療科別に上位3症例の術前、術後日数、平均在院日数を掲載しました。この指標により手術ごとの入院から退院までの日数を確認することができます。
用語
  1. 脳梗塞とは
    脳梗塞とは、脳の血管が詰まることにより血流が止まってしまい、そこから先の脳細胞が壊死または壊死に近い状態になってしまう病気です。
  2. ICD-10コードとは
    WHO(国際保健機関)によって公表されている分類法で、国際疾病分類と訳され、ICD-10の10は国際疾病分類の第10版です。分類はアルファベットと数字により符合されており、全22章から構成されています。

診療科別主要手術の術前・術後日数 症例数上位3件集計表 [PDF]